

「これまで環境破壊を続けてきた日本に暮らす一人の大人としての責任を果たしたい」と、自宅に太陽光発電システムを導入した主婦、Tさん。利益にとらわれず、地球環境に寄せる思いも大きかった彼女のライフスタイルに迫ります。倉敷市のとある住宅街にある一戸建てに家族3人で暮らしているのが主婦のTさん。
2008年に安藤嘉助商店で1階の全面と外壁のリフォームを行い、築30年とは思えないほどの一軒家へと生まれ変わりました。
Tさんのこだわりは、ズバリ「庭」。手塩にかけて育てた植物が息づく美しい庭を、これからはずっと眺めながら過ごしたいという思いをかなえるべく、一日の大半を過ごすLDKから眺められるよう、大幅に間取りを変更したのです。
この時、キッチンも新調し、ガスからオール電化に変更。
信頼できる棟梁にも恵まれ、満足のいくリフォームができたそうです。近くに住む娘さんとお孫さんもよく泊まりにくるようになり、 満ち足りた日々を送っていました。
年が明けた2009年、少しずつ太陽光発電の話題がクローズアップされはじめました。
Tさんは以前から少なからず興味を抱いていて、実は自宅のリフォームの際、この機会に導入しようかとも考えていたのです。しかし、実際に導入するとなると、当時は約700万円という高いコストがかかるとあって、田主さんは二の足を踏んでいました。
その後、CO2削減をさらに推し進めるため、政府による住宅用太陽光発電導入支援対策補助事業の一環として、2010年3月31日までの募集期間中に太陽光発電システムを新たに設置した個人に対して国からの補助が受けられることが決定。さらに、余剰電力を電力会社が買い取ってくれる「売電」の価格が、従来の2倍になるという情報も娘さんから聞いていたため、Tさんはこのタイミングで太陽光発電システムを導入することを決めました。
最終的に導入を決意したのには、これらの政策に加えて、大きく3つの理由があり、「一石三鳥になると思ったから」というのです。
一つは「経済活動への参加」。ご主人はでにサラリーマン生活から退き、今後の生活を考えれば退職金には手がつけられません。しかし、今のご時世、可能な範囲で消費につながることを行うことはとても大切で、「社会における経済活動に参加できれば」と考えたのです。
次に、「家計におけるメリット」。家庭で消費する電力をいくらかでも自ら賄うことができれば、光熱費の節約になります。Tさんはリフォームの時にオール電化に移行していたため、電気代が抑えられることがすなわち光熱費ダウンにつながり、家計の負担を軽減することに。「金銭的に“得する”だけでなく、自分の“徳”を積むことにもなるわけです」とTさんは言います。
そしてもう一つ、Tさんが重視したのが「エコ」。
流行りの言葉ではありますが、Tさんの考えにはさらなる深みがありました。
「私たち大人は、経済の発展を追い求め、めざましい経済成長と引き替えに環境破壊を続けてきました。その結果、大気は汚染され、地球温暖化も招いてしまった。孫たちが生きるこれからの時代にも、美しい地球環境を残していくため、環境対策は20世紀を生きた私たちの責任であり義務だと思うのです」
と、言葉に力を込める田主さん。「私のような考えをもつ人が増えていって、太陽光発電がもっと一般家庭に普及していってほしいですね」という言葉には、愛するお孫さんたちの世代に対する懸念と希望が入り交じっているようです。
正式に太陽光発電システム導入の依頼を行ったのは2009年の夏。しかし、その時点で工事依頼が殺到しており、ようやく機械の取り付け工事が始まったのはその3ヵ
月後の12月でした。
Tさんの場合、工事費用は全部で260万円。その内、1kwあたり国から7万円、岡山県から3万5000円、倉敷市から3 万5000円、合計52万円の補助が下りま した。
予想外だったのは、3kwは必要な太陽光を発電するために取り付けるパネルが、屋根だけでは乗せきれず、ベランダにも設置する必要が出てきたこと。やむを 得ず2階のベランダの手すりを取り除き、パネルの取り付け角度を最適な30度にするべく架台を組んだことで、やや工事費が多くかかってしまいました。しか し、これも必要なコストです。
ちなみに、屋根に架台を取り付けることで雨漏りを心配する人もいるようですが、安藤嘉助商店によれば「その心配はありません」とのことです。
実際に太陽光発電システムが稼働し始めてからは、生活のあらゆる場面で消費電力に対する意識が向上。
Tさんのライフスタイルにも少しずつ変化が起こり始めました。
キッチンに取り付けられたモニター画面には、常に発電量が表示され、青いランプの点灯時は売電されている状態、赤いランプは電力を購入している状態を示し、天候の良しあしによってもランプの色は随時変わります。
電力の売買が一目で分かるため、自然と省エネ意識は高まるのだとか。
特に夏場、赤いランプが点灯しているのはたいがい家族の誰かがエアコンを使っている時。
心地よいLDK
エアコン使用時は消費電力がグンとアップするらしく、あまりエアコンを使わないTさんは、赤いランプが点灯していると、「誰がエアコンを使っているの?」と気になるのだそうです。
キッチンでもできるだけ電力の購入を抑えられるよう、食器乾燥機を使わず、天日干しをするようになりました。
こういったライフスタイルの変化も、環境に配慮する姿勢づくりへとつながっていくのでしょう。
実こうしてお金をかけて太陽光発電システムを導入したものの、気になるのは、システム導入後の月々の電気代です。
そこで、Tさんに電気料金の請求書を見せていただくと、雨の日、くもりの日が多かった2月も発電貯金が1,837円。4月はなんと、9,100円の発電貯金を得ることができ、太陽光発電の恩恵が分かりやすい形で得られました。
今後も、省エネ意識の高まりとともに、田主家の発電貯金は貯まっていくでしょう。
実は岡山県は、日照時間の長さが全国トップレベルにあります。
つまり、同じ金額で太陽光発電システムを導入した場合、他の地域よりも比較的早いうちに投資分が回収できるともいえる地域なのです。
後世に思いを馳せ、未来永劫人類が地球で暮らしていくために今できることを実行するというTさんの考え方にはぜひ見習いたいもの。
太陽光発電のモニター画面に一喜一憂するTさんの笑顔には、楽しみながら環境に寄与する喜びが光っていました。
皆さんも、この機会に太陽光発電システムの導入を検討してみてはいかがでしょうか。






